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「ロボット」の生まれた国から [IGRA]

マニアでインドア派な猫ですが、この頃みたいな気候のよい時期は、ときどき庭師だったり。
私をそんな、ゆるガーデナーの道に誘うのは、「園芸家12カ月」という本です。

がちんこのハウツー本みたいなタイトルですが、中身はまったく違っていて。
花づくりや土壌改良の愉悦や失敗が、ユーモラスな文章とイラストで綴られています。

少し長くなりますが、九月の項の一節を引用しますと。

「ロック・ガーデンをこしらえていると、その人間は、まるで自分が、自然の力で岩を重ね、丘や谷をつくり、山を移し、断崖絶壁を築いているギリシア神話のなかのシクロップになったような気がしてくる。そのうち腰がフラフラになって、やっと仕事が完成すると、最初頭のなかに描いていたローマンチックな山脈とは、どう見ても少し違った、ただのひと山の石くずにすぎないことを発見する。しかし、気にすることは少しもない。一年たたないうちにそれらの石が、一面にきれいなみどりのクッションで覆われ、そのなかに小さな花がキラキラかがやく、世にも美しい花壇にかわる。そのときの嬉しさは何とも言えない。わたしはすすめる。ぜひロック・ガーデンをつくりたまえ」

この名エッセイを著したのは、チェコスロバキアの国民的作家、カレル・チャペック。
小説、童話、戯曲など幅広く活躍。「ロボット」という言葉の生みの親としても有名ですね。

今回ご紹介する玩車は、彼の母国の自動車メーカー「タトラ」の二台。

タトラ プレジデント 1897
IMG_1239.jpg
IMG_1240.jpg
メーカーはIGRA。チェコスロバキア製。1/36でオールプラスチック。
多分、1960年代に仏サフィールなどのオールドタイマーに触発されて作ったんじゃないかと。

紙箱には、絵本のようなイラストが描かれています。
IMG_1238.jpg
反対側にはモデル名と、「03」とのナンバーが記載。
同時期、IGRAは自国のオールドタイマーを十数種類発売したようです。

タトラは1850年、前身の馬車製造会社が創業されました。
1897年に初めて製造したガソリン自動車が、このプレジデント。

狭い前席、幌は後席のみ。まさに、馬車のレイアウトですね。
馬車が自動車に進化・・・アドバンスド大戦略の「補給馬車」ユニットみたいなもん?

チャペックが存命したのは1890~1938年ですので、
幼い彼が、まだ珍しいプレジデントを見かけて、瞠目したことがあったかも(笑)

さて、タトラは戦後においても、独創的なデザインや機能の乗用車をつくる一方、
優れた大型トラックを生産して、東側陣営の工業発展を支えました。

無骨、頑丈かつ高性能のトラックは、軍用車両としても活躍。
また1987年からはパリダカのカミオン部門に参戦。優勝争い常連の強豪でした。

もう一台のタトラは、そのパリダカを駆けたT815。
IMG_1234.jpg
IMG_1236.jpg
メーカーは「Kovodruzstvo Nachod」。チェコスロバキア製。1/43。
チェコとスロバキアは93年に分離してるので、87~93年に製造されたものと推測。

これ一見、ダイキャストモデルのようですが・・・実は一切使われていません。
ボディはブリキ。ロールバーやシャーシ、タイヤはプラスチック。

いくら直線的デザインとはいえ、荷室のみならずキャブもブリキとは恐れ入りました(汗)
まったく同じマーキングの車両が、こちらの動画に出てきます。

「馬車」とトラックを入手した猫が、いま萌えているのは、特異なフォルムの乗用車T603。



IXOから1/43が出てるし、グレルの1/64は持ってるけど・・・
当時の息吹を伝えるチェコスロバキア製の1/43くらいのが欲しい。でも、存在するのかなぁ?

追記 

「IGRA」と「Kovodruzstvo Nachod」については、同好の大先達ノスタルPC様が、
ノスタルジック・パトロールカーの世界」で、他のモデルを紹介してくださっています。多謝♪

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園芸家12カ月 (中公文庫)

園芸家12カ月 (中公文庫)

  • 作者: カレル チャペック
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1996/03
  • メディア: 文庫

タグ:タトラ IGRA
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コメント 16

FZIRO

クラシックカーは箱絵も込みで典雅そのものですねぇ…。
クラシックカー大好きな私としては、
このシリーズ、どれか手に入れたいものです…。

打って変わってハデハデなカミオンもキレイだし、
最後のT603は凄みがあってカコ(・∀・)イイ!
フロント3灯ってのはタッカーなんかと同じ考え方でしょうが、
両脇じゃなくて真ん中に並べるという発想がスゴイなぁ……。
エンジ色の方なんか特に塗装がカラフルなんで、
昔のSFカーみたいな感じですねぇ……。

by FZIRO (2009-09-25 09:30) 

tokage

チェコスロバキア製のミニカーがあったのですね・・・。
大抵は日本、中国、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、イギリス、イタリア、フランス製のミニカーですからね・・。
イギリスはマッチボックス、フランスは魔女、イタリア製はブランドは分りませんがありました。
日本、中国、香港、ベトナムはトミカ。 
タイ、マレーシアはホットウィール・・・。

by tokage (2009-09-25 12:38) 

覆面えるさん

>>マニアでインドア派

マニラでインド派、、って読んでしまい、しばし考えること5秒、、、一人で噴出してしまいましたぁ(爆)

で、チェコ製ミニカーですか、、アタシのインド製ミニカーと好い勝負でつね(爆)

http://minkara.carview.co.jp/userid/240223/blog/14910876/#cm

by 覆面えるさん (2009-09-25 14:45) 

emu310

タトラ603、とても懐かしいです。
中学生の頃、大好きでした。
動画、初めて見ました。小さいのが意外でした。
ミニカーも見たことがありません。
出ていたんですね。
by emu310 (2009-09-25 17:26) 

グッドバランス

これは、趣味を超えて“研究”の領域ですね。
素晴らしい!
私には初めて見る車ばかりです。
ミニカー製造は先進国、もしくはコスト対策で発展途上国という暗黙のイメージを見事に壊してくれました。
昔、バックパッカーで東欧を旅していた頃を思い出しました。
ユーゴスラビア、なんて国もありましたね。
T603って、ケムジラを連想してしまいました(すみません!さっき、チビとウルトラマンタロウを観てたもので)
by グッドバランス (2009-09-26 01:29) 

1275GT

私も603に萌えますねぇ(笑)
ミニチュアカー誌という小冊子に、川上完氏のコラムがあって、
確かタトラのミュージアムを訪れた記載がありました。
そこで603のミニカーを買われたと思うんですけど・・・

記憶の引き出しも、渋くて開きづらくなっているので、
隙間から中を覗いたような情報ですが(笑)

走行画像、楽しませていただきました。
現存台数も少ないんでしょうね。

by 1275GT (2009-09-26 07:19) 

Ponys41

タトラ、1800年代から存在するメーカーなのですね・・・。
IXOのタトラ603って通常版の他に書店系アイテムの世界のタクシーでも展開予定ではありませんでしたっけ?
タトラと言うと、うる覚えで世界最大のリアエンジン車って思ったのですが、調べなおしたら613というもう少し後の時代のクルマでした。
by Ponys41 (2009-09-27 22:49) 

ねこざかな

>> FZIRO様
タトラのクラシックカー、この一台しかないけど、
いつか、箱つきのダブりを入手したら、お譲りしますね~。

T603、後期の4灯よりも、画像の3灯の方がヘンタイちっくでイイ(笑)
中央のライトが、ステアと連動するのも、タッカーと同じですね。
by ねこざかな (2009-09-28 03:08) 

ねこざかな

>> tokage様
鉄のカーテンの向こう側では当時、ソ連や今回のチェコスロバキアのほか、
ハンガリー、ブルガリアでもミニカーが製造されていました。
by ねこざかな (2009-09-28 03:14) 

ねこざかな

>> 覆面える様
あはは・・・私もアナタも、読んでくれてる方たちも皆、マニラですね(爆)

インド製って持ってない・・・と思ってたら、そうでもなかった。意外。
http://nekozakana.blog.so-net.ne.jp/2008-07-30
by ねこざかな (2009-09-28 03:21) 

ねこざかな

>> emu310様
T603のミニカー、もっとも入手しやすいのはIXOでしょうけど、
残念なことに4灯なんです・・・レジンで3灯のもあるけど、やはり当時モノが☆
by ねこざかな (2009-09-28 03:36) 

ねこざかな

>> グッドバランス様
壁の向こうで高い完成度を得るに至ったブリキのスケールモデルに、
玩車の進化の、失われた道筋のひとつを見る思いがします。

ケジラミ!?・・・あ、ケムジラですか(笑)
T603の寄り眼の3灯、私はちょっと、クルマニクラスを連想したり。
by ねこざかな (2009-09-28 03:54) 

ねこざかな

>> 1275GT様
タトラのミュージアム・・・ミニカー・・・やっぱ、あるんや!御教授多謝。
ミニチュアカー誌なら当時モノでしょうから、期待が持てますね。

垂直尾翼(笑)のある戦前のT77、T87あたりも、萌え~です♪
by ねこざかな (2009-09-28 04:02) 

ねこざかな

>> Ponys41様
世界のタクシー版のT603、夷兵衛でみっけました。
アイボリーと臙脂の、なかなか洒落たツートーンですね。

613、地味な外見にもかかわらず、そんな「世界一」を持っていたとわ。
御当地モノと思われるプラ1/43があるので、そのうち捕獲・・・。
by ねこざかな (2009-09-28 04:19) 

せんとら

タトラ・・懐かしい名前なんです。
子供の頃持っていた・・いや、多分、今でも家のどこかにある
「世界の自動車」と言う本で見て、感激しました。
確か、奥付が昭和45年・・(笑
タトラ以外にも、パナールの4灯とか、ジルに紅旗にモスクビッチに・・。
なんで、子供向けの本に、こんな変態車が載っていたのでしょうか。
おかげで、こんなマニアに・・(をい

あ、この記事で一番食いついたのは、
アドバンスド大戦略ネタでした(謎
by せんとら (2009-09-29 00:30) 

ねこざかな

>> せんとら様
大戦略ネタ、釣り成功 d(*⌒▽⌒*)b
馬車メーカーが自動車屋に転身って、調べたら意外と少ない例でした。

紅旗はないけど・・・ジルは、そのうち出てきまっせ、お客さん(笑)
「世界の自動車」読みたいなぁ。復刻してくんないかなぁ。
by ねこざかな (2009-09-29 02:47) 

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